昨日はずっと頭脳流出について考えていました。僕が「考えて」いたというのはほぼ【妄想】です(笑)。
世間では日本企業が海外に工場をつくったことが国家の大きな損失につながるとか、ドル高円安の操作が日本の国力の低下を招いているとかいろいろなことが言われていますが、そんなことより頭脳流出こそが最も影響力が大きいはずです。僕はそう思います。
優秀な科学者が自身の評価があまりにも低いと感じたとき、その人は自分を認めてもらえるところに向かおうとします。それは当然でしょう。これは金銭面の待遇ばかりではありません。上司の横柄な態度や融通の利かないシステム、旧態依然の慣習などなど、様々な要因があろうかと考えられます。
ここからが僕の妄想です(笑)。漫画の世界に突入です。
もしも無能者扱いを受け、辞表の提出を迫られている科学者が、実は大きな発明発見のチャンスを窺っていて、それを隠し持っていたとしたら、その時発表するでしょうか。そう。しませんよね。それよりも彼を誘ってくれた良心ある機関への移籍を試みることでしょう。そこで、大発明。しかもSDGsに合致した地球環境にもやさしい、人体にも無害な大発明です。それまでのコストが半減し、みんなの生活が豊かになる。邪魔者扱いを受けていた二酸化炭素を逆手にとって有効利用しようとする若き科学者の話も最近みました。
彼は【棄てられた】人間なのだから彼を見殺しにした無能な企業や国家に抗弁はできません。どんなに言い寄ってきても二度とそこへは戻らないでしょう。彼は一人では研究する資金がありませんが、そこへ救いの手が差し伸べれたのです。そういう筋書き(笑)。
こういう英雄譚というのは実に多いです。まさに漫画や安っぽいテレビドラマはこんな幼稚な筋書きで構成されていましたね、昔っから。そんな奇跡が起こる確率はまずありません。でも、その奇跡が無ければ世の中は助からないくらい現代は危機的な状況であると言えます。というのも、そういう【良心】を持った機関が世の中にない! 科学の発明や発見には【個人】の【自由】な発想が必要でしょう。それがチームワーク(組織)でがちがちに進む現代科学の領域では皆無であると思われます。天才の表れにくい世の中になっているんですよね。自由にさせる機関には潤沢な資金も必要でしょうし。その機関には良心があった!というところです。
古代ギリシャ時代のヘレニズム期にはオリエント文明と西洋文明の融合したとっても素晴らしい哲学(科学も含む)がありました。その一派がエピキュロス学派でした。質素禁欲でありながら自由な発想そして友愛。【新しい場所】が必要だったのです。
・エピキュリアン又は自由の渇仰者陽性のデラシネ(根無し草)とも 村田マチネの歌より