将棋を指していて負ける理由はもちろん技術面の弱さですが、心理面でいえば、【恐怖心】でしょう。パニックになるという言葉があるけどあれとまったく同じなんです。どうしていいかわからない。冷静になって考えてみれば他愛のないことなのに、そのパニックのせいで周りが見えなくなってしまいます。相手の槍が(古っ!)どこから飛び出してくるか、なにか罠が仕掛けられているのではないかという警戒心が強いあまり、正常な思考ができなくなってしまうんですね。事実ビクビクしてる。
実力ではなくて負けるととっても悔しいものです。明らかに自分より棋力の低い人に負けた場合が特にキツイ。鬼の首でも獲ったかのように、言いふらしますから。そして自分は強いと思いこませてしまう。僕は、それでもそれが自分の実力なんだからと最近は負けても悔しくなくなりましたけど。
昔、ほんとに強かった人がいます。県名人になった人です。全国大会でもベスト8に勝ち残り「将棋世界」に写真も載りました。その人も70歳を過ぎ、ミスが多くなり、級位者にさえ負けることがあります。「あの人に勝った」という言葉をその級位者の人から聞いたことがあります。そりゃ嬉しいのでしょう。
うっかりと恐怖心。それはいくつになっても、プロでさえあります。ないのはソフトだけでしょうね(笑)。おっそろしい手を平然と指しますから唖然としますよ。