よく当たる易者がいたとします。彼/彼女は、なんでも当ててしまい、これから起こりうること、やめておいた方が良いことなどを的確にアドバイスしますが、その根拠となるのは、占いをしてもらった人々の過去を事細かに何ひとつ間違いなく、誇張もなく言い当てるからでした。易者の評判は忽ち広がり、一年中行列が絶えません。
そこで動き出したのが警察です。是非犯人逮捕に協力して頂けないかと。金品を盗まれた上、それを目撃していたらしい少女まで連れ去られていたのです。
そこで易者は無料でその捜査に協力をします。しかしその前に、行方不明の子供が今どこにいるか捜さなければいけませんよね。
すると易者は、まず方角から彼女の居場所を言い当てました。さらに地図の上にペンを置き、それをおもむろに摘み上げると、今度はコックリさんのようにペン先の動く方向を探り始めました。そして・・・・
「ここです」
そう言って、ペンの止まった場所を見ると、そこは誰も近寄ることのない小さな山の中腹でした。警察は大勢の捜査員を導入して辺りを捜査。そして遂に、掘った形跡のある場所をみつけたので、そこを探ってみる。すると、なんと本当に少女の遺体が見つかった!のでした。これにはすべての人が仰天しました。
さて、次には犯人捜しです。これは容易に解決するだろうと誰もが楽観視します。幼女の遺体や犯人の足取り、また防犯カメラもあちこちにありましたから。しかし、それらは1つも解決に役立ちません。肝心の易者でさえ、犯人を見つけることは不可能だったのです。
警察が最後に出した結論はこうでした。
「犯人はあなただ!なぜなら少女の遺体があった場所を知る人物はあなたしかいないから」と。
お粗末でした(笑)。
でも、こういう話(言いがかり)って大なり小なり世の中にありますよね。黙っていた方が良いことも多々あるようです。
さて、今夜の曲はこちらで。