拓郎を聴いていました。
ピンクフロイドを聴く人間でも拓郎は好きなんです。この真逆を行く感性というか守備範囲の広さが僕の特異なところでしょうか。なんて自慢にもなりませんが。
ユーチューブに上げられた「勝手に拓郎ベスト」というのがいくつかあって、そのシリーズのなかで昔懐かしい名曲の数々に堪能しました。どれもいいんだけど、「されど私の人生」という曲が目を引くならぬ耳を引きましたね。
これ、どうもお経のように聞こえるって前々から思っていたんです。というのも、僕は小さいころからおねしょが治らなくて、母親が偉いお坊さんになんども拝んでもらっていた記憶があります。その時のお坊さんがこんな調子で僕に、まるで「悪霊退散」みたいに拝むんです。まるで滝に打たれてる修験僧のように。拓郎の歌い方ってそういう気迫があります。もちろんそうでない曲もいっぱいありますが。
もともとお経も音楽であったという説もあります。
こちらの曲は以前も出したことがあったでしょうか、「落陽」。拓郎の漢気(おとこぎ)を感じさせる曲です。♪土産にもらったサイコロふたつ。手の中で振れば又振り出しに。戻るたび陽が沈んでゆく♪とか、♪(船まで)見送りに来てくれた爺さんがテープを拾って投げてくれた。女の子みたいにね♪なんて詩が心憎い。詞ではなくって完全な<詩>になってるんです。これは中島みゆきにも共通していますね。
最後にさわやかな曲を。それが「ある雨の日の情景」です。この輪唱がなんともいい。実は僕が稲毛ペリエ店の店長をしていたころ、バイトの女の子たちとこの曲をハモったことがありました。お客さんが来ていないときです(笑)。