千葉に産まれて

「おめえんとこ電話したけど出ねえかん、おっちんじまったかと思ったよ、はあ」

この言葉を発したのはどういう人間でしょう。かなり田舎っぺですが、実は僕なのです。昔からの友達、とくに小学生からの友人とはこういう【千葉言葉】で会話しています。この言葉を発せる相手は実は二人しかいません。それがY君とM君。M君にはあまりこの言葉はつかいませんが、Yとはいつもこうです。Y君は今八街に住み、M君は茂原に住みます。小さいころ、どういうわけか、ずっと三人で遊んでいた記憶がありますねえ。僕の家は商家だったので、主にM君かY君のうちが多かった。何をしていたかと言うと、何にもしないでもいられたのです。将棋をすることもあったけど、それより洋楽を聞くこととか、変に背伸びをして人生論なんかも。もちろん上のような千葉弁でです(笑)。

Yから以前、人工肛門をつけるようになったとか、救急車で運ばれて命を落とすところだったとか言われていたので、今日電話に出なかったときはちょっと心配しました。そこで茂原のM君に電話してY君から連絡はないか聞こうと思ったのですが、こちらはいつも出ない。そして慎重な彼は録音を聞いてから電話してくるのです。しかしその前にY君の方から電話があり、元気そうでした。実は彼は床屋さんで働いているのです。その時はお客さんをやっていたのかもしれません。僕も、ときどき八街まで自転車で行き頭を刈ってもらいます。今日もそろそろ行こうかなって思って電話したのです。明日は雨だけど、今週中にでも行きたいです。

そのあと、M君からも電話があり、Y君が元気だったこと、三人で正月に会おうという話などをして切りました。彼らと会うと僕が全く別人になった言葉を使って電話で話すので、そばにいた人間はびっくりしています。電話の話を傍で聞いていた家内が驚いたこともあります。カミさんは二人にあったことがありません。というか、僕が会わせない。なんか自分過ぎて会わせたくない。自分自身の恥部みたいな?(笑)。カミさんには謎の友人と映っています。彼らといるときはまったくの別人になる自分。まるで多重人格者。でもまったく屈託がないのも事実であります。

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