認知症が今後進んで行く懸念があり、その前に整理するものは今のうちにしなければいけないなと思いました。
特に多いのは本。重くてなかなか厄介です。昨日は家に置ききれず市原の別宅に置いてあった大量の本を再び家に持ってきました。こちらで棄てるためです。
今回運んだのは主に詩集。昔、僕が主催した詩の会「ふらっと詩の朗読会」に出演してくれた人の詩集もたくさんあります。
(はあ〜。やっぱり棄てられないや)。この詩を読んで特にそう思いました。
詩の本は全部市原へ再々移動し、来てくれる人にできるだけ読んでもらうよう、本棚を設置します。
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空あります あなたひとみ
その看板の字の読み方はしっていた
でもそれは「そら」と読んだほうが
もっといいと思った
車のまばらな月極駐車場の上に
そして駐車場以外のすべての場所の上にも
いちめんの空がある
そのことを私は知っていた
多分みんなが知っていたことを
全世界が代表してその看板が言っていた
「空あります」
そうだったね
私たちにはまだ
空があるのだった
顔さえ上げていれば
いつでも空を見ることができることを
忘れてしまっていた
ペンキの剥げかけた
古い看板に教えられて
私は真新しい空を見上げた