藤井聡太が19歳で四冠

藤井聡太が19歳で四冠を獲るという偉業を成し遂げました。素晴らしいことですね。

ところで藤井聡太と最強ソフトが対戦したらどちらが強いと思いますか?僕は、申し訳ないけど、ソフトの99勝1敗だと思います。それほど人間との差がついてしまった。よく、「藤井聡太がソフト越えの手を指す」という言葉を使うけど、逆に言えばそれほどソフトの力は強いということなんです。

ところが・・・。ソフトが将棋をすべて読み切ってるかといえば、それはまだまだ先のことだと思いますね。せいぜいあと20年は掛かるでしょう。20年たったら真の最強ソフトが現れる。これが何を意味するか理解できますか?それは、初手から読み切ってしまうという結論なんです。要するに、先手必勝か後手必勝か、引き分け(千日手か相入玉)かということになります。

おそらく1兆手先まで読むコンピューターが現れたって不思議じゃない。しかし、そこまで読ませるならスーパーコンピューターを人類のもっと役に立つことに使った方がいいというのが、大方の見方でしょうね。

昔、中原誠名人という大名人がいました。大山世代を崩し、中原名人が20代の若さで新しい将棋界のトップに君臨しました。

昔、もう半世紀も前になりますが、将棋雑誌にこんなことが書かれてあったのがとっても頭に残っています。それは【垂れ歩】についてでした。中原が、自分でも意味の分からない歩をポツンと置いたのです。歩というのは安い駒なので、相手の駒の出先に置いておいたり、次になるぞ!っていうときに置いておくことが良くあります。でもそんなはっきりした意図が見えません。なんだかわからないけど、この場所に置いておけばずっと後で効いてきそうだな。そんな意図の歩だったんです。

ソフトってのはこういう【あいまい】な手は決して指しません。遠くとも数十手先に効くぐらいのタクラミを以て指します。でも中原はそうでもなかった。ただなんとなく。これだから将棋は分からない。もしコンピューターがこの手を解析できるとしたら、おそらく計り知れない紛れのある解析をすることでしょうね。将来それすら可能になるかもしれないけど、そうなったらもう将棋はたんなるゲームでしょう。先手か後手の必勝がきまってしまうから。

でも、考えてみてください。宇宙の広さて無限ですよね。いくらコンピューターが進化したって無限の手は読めない!ということなんです。というわけで、安心してください。無駄なことは必要なんだと(笑)。お後がよろしいようで。

PAGE TOP