今から6年前のちょうど今頃、僕は足を骨折しました。
この話をするのはちょっとツラいです。というのもそれは70年続いた会社の最期の日だったからです。あれは友達A君と別れたすぐ後でした。駐車場に戻って帰宅しようとしたとき、そこがユルいスロープになっていて、転んでしまったのです。小さいころからよく右足がぐにゃっと曲がったようになって倒れることはあったのですが、骨折には至りませんでした。でも今回のはひどく痛くて、(これはやっちゃったな)とすぐにわかりました。
別れたばかりのA君に連絡するのも申し訳なく、取り敢えずそこに座ったままでした。でも、運が良いことにお店の近くのお兄さんが来たので肩を貸してもらい、車の座席に座ることができました。もう陽はとっくに暮れています。
そこから痛いのを我慢し、車を運転して家まで帰ったのです。右足はほぼ固定。ブレーキを踏むときには激痛が走りました。まるでご先祖さんの罰を受けたようでしたねえ。お前が店をこんなにしてしまったんだ、と。
明日から仕事がない。何かしなくては。そう思っても体がそんな風でしょ。だから書いてお金はもらえないかなんて安易に考えちゃいました(笑)。足は順調に回復とはいきません。整形外科へ行き松葉づえをつけて歩く毎日が続きました。そしてなんと、松葉杖をついて一人で渋谷まで【面接】に行ったのです。なんの面接かというと、葬儀コラムのコラムニスト募集というのがあったので応募したんです。そりゃあ(なんだこいつ)ってな感じでしたよ。奥の部屋では多くの女性スタッフがそれはそれは猛スピードでタイプを打ってる音が聞こえていましたね。今にして思えば、あの人たちが僕の文章の余白にどこからか拾ってきた写真を持ってきて貼り付けたりしてるんだってわかりました。
いくつか送っているうち、僕の文章が好印象であったのか、あるものがあったらどんどん送ってくれ、みたいな感じになりました。でもいくら書いても1作品400円ばかりでしょ。資料を集めるにも半日はかかります。で、6作品ぐらいで終わりにしました。お金は一度も貰ってません。ホントのこと言えば、書くことは好きだったし、お金も年金やカミさんのピアノの授業料とかが入ってくるので、要らないくらいだったのです。ネタがなかなか出てこないのが本音です。
僕は音楽関係の話が好きなので、お葬式とかお別れ会で流す曲というテーマで書いたことがあります。それがこの曲です。さっき、ビートルズの曲を聴いてたら偶然流れ始めたのでこのお話を持ってきました。
曲は、Baby’s in black in black というのは「喪服の」という意味です。喪服の女ですね。